ツォンカパ中観思想の研究
著者名: 福田洋一〔著〕
ISBN: 978-4-500-00770-7
判型: A5判
体裁: 上製・カバー
頁数: 384
発行日: 2018年2月28日
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《内容紹介》
ダライ・ラマも属するチベット仏教最大宗派のゲルク派。本書はそのゲルク派における中観思想の源流を開祖ツォンカパ自身の著作の中に求め、さらにツォンカパの思想的な展開過程を解明――すなわちツォンカパの初期中観思想に見られる「中観派の不共の勝法」に焦点を当て、それがどのように成立し、その後のツォンカパの中観思想の展開においてどのように変貌していったかを考察するものである。
《著者紹介》
福田洋一(ふくだよういち) 1983年、東京大学大学院修士課程(印度哲学)修了。(財)東洋文庫チベット研究室専任研究員を経て2004年より大谷大学文学部教授。《主要著書》『チベット論理学研究』第1〜第6巻(東洋文庫)、『ダライ・ラマの仏教哲学講義』(訳、大東出版社)、『聖ツォンカパ伝』(共著、大東出版社)、『新アジア仏教史09チベット:須弥山の仏教世界』(編著、佼成出版社)、『チベットの歴史と宗教』(共訳、明石書店)
《目  次》
序 章
 第一節 ツォンカパにおける中観思想
 第二節 中観思想の発展段階
 第三節 ツォンカパの中観思想の展開過程
 第四節 否定対象の特定
 第五節 本書の課題と構成

第一章 中観派の不共の勝法
 はじめに
 第一節 『菩提道次第大論』の構成と「中観派の不共の勝法」の位置付け
 第二節 「中観派の不共の勝法」
 第三節 言説知・正理知・真実執着
 おわりに

第二章 聖文殊の教誡による中観思想の形成過程
 はじめに
 第一節 ツォンカパとラマ・ウマパの関係
 第二節 伝記資料に基づく聖文殊との問答
 第三節 レンダワ宛ての書簡
 第四節 『道の三種の根本要因』
 第五節 『縁起讃』における「中観派の不共の勝法」
 おわりに

第三章 初期中観思想における自立論証批判
 はじめに
 第一節 自立論証批判の位置と構造
 第二節 自立論証批判の論理
 第三節 帰謬論証派にとっての量
 おわりに
第四章 二つの二諦説
 はじめに
 第一節 前期の二諦説
 第二節 後期の二諦説
 おわりに

第五章 『入中論』の二諦説と中観派の不共の勝法
 はじめに
 第一節 『菩提道次第大論』における『入中論』の二諦説
 第二節 後期中観思想における二諦の同一性と別異性
 おわりに

第六章 自性と縁起
 はじめに
 第一節 自性の規定
 第二節 自性と縁起
 第三節 二種類の縁起
 第四節 チャンキャ『学説設定』における三種の縁起
 おわりに

第七章 自らの特質によって成立しているもの
 はじめに
 第一節 自相と自らの特質によって成立しているもの
 第二節 具格助詞kyisの意味
 第三節 唯識思想との関連
 おわりに

第八章 中期中観思想における言語論的転回
 はじめに
 第一節 『善説心髄』中観章の構成
 第二節 帰謬論証派独自の否定対象の特定
 第三節 議論の構造
 第四節 自立論証派による「自らの特質によって成立するもの」の設定方式
 第五節 「考察(vicara)」の意味
 第六節 世間一般の人の言説有の捉え方
 おわりに

第九章 二つの自性
 はじめに
 第一節 『中論』第一五章第二偈の解釈
 第二節 『中論註正理大海』における帰敬偈の解釈
 第三節 『中論註正理大海』の総論における否定対象の解釈
 おわりに

終 章
 第一節 ツォンカパ中観思想の展開
 第二節 残された課題
文 献 表
後 記